観る

 広場はいつだってこどもたちのもの。

何年かに一度くらい見る夢がある。 夜の山々の向う側から鳥とも飛行機ともつかないとてつもなく巨大なものがゆっくりと舞い上がってきて、そして多くの人々とともにそれを眺めている夢。その景色になんだか静かに感動して、そして目覚めた時に自分が涙を流し…

 最終兵器、加藤嘉。

わたくし死期の迫った恋人やいたいけな子供が登場する映画にはどちらかと言えば「けっ!」とか偽悪的なリアクションを取ってしまうのだけど、しょんぼりしたオヤジやジジイが出てくると途端に涙腺がゆるくなる質でして。幼少のみぎりに見た「自転車泥棒」と…

 「泣く間があったら笑わんかい。」

仕事せねばいかんのについ逃避癖が出て撮り貯めた映画を観てしまった。いかんなあ...。 観たのは1964年制作の古いモノクロ映画、「その男ゾルバ」。 いやはや面白かった! 登場人物は亡父の遺産である廃鉱山を再興するためにギリシャの寒村に赴く若い作家と…

 女はすっこんでろ!

なんて書くと関係各方面から袋だたきに遭いそうだけど、映画の話なんです。 ここんとこ見たくてたまらない映画があって。ロバート・アルドリッチの「北国の帝王」っていう映画なんだけど、DVD化もされておらずたまに市場に出るレンタル落ちビデオも結構いい…

永遠と一日。

「永遠と一日。」これ、私が愛して止まない映画の題名なんです。 もう退屈で退屈で仕方ない映画なんだけど、何度でも観てしまう。特に今時分のような夏の終わりには。映画を観るのが大好きなのだけど、最近は滅多に映画館に出向かなくなった。 理由はいくつ…

すべてのはぐれ者のために。

人間はかつて完全な存在だったが傲慢でもあった。それに怒った神が人間を二つに切断してしまい、それ以来人間は失われたもう一方を求めて探し歩く存在になってしまった。この「失われた半身」への欲求をプラトンは「エロス(愛)」と呼び人間の行動原理とし…

「DRALION」がやって来る。

わたしの大好きなCIRQUE DU SOLEIL(シルク・ドゥ・ソレイユ)の巡業プログラム「DRALION(ドラリオン)」が7月25日から大阪にやってくる。 CIRQUE DU SOLEILの他のプログラムに比べると多少耽美的なイメージに欠けるきらいはあるのだけど、それでもやっぱり…

「転び公妨」を知っているか?

いささか出遅れた話で恐縮だけど、映像作家の森達也が制作したドキュメンタリー・フィルム「A」を見た。とてつもなく面白い。 報道のこちら側とあちら側。どちらに視点を置くかで同じ出来事への印象がこうも変わるものか。 「A」に登場するメディア関係者や…

反則ですよ、この映画。

「世界最速のインディアン」、バート・マンローという実在したバイク乗りをモデルにした映画を観た。主役はニュージーランドの片田舎に独り暮らしの老人。20代の頃に買った「インディアン・スカウト」というオートバイをこつこつと改造し続け、いずれはかの…

トンマッコルへようこそ。

という韓国の映画を見た。いや〜、面白かった。 あらすじは単純で、「朝鮮戦争が始まったことも知らずにのんびり暮らしている山村に北朝鮮と韓国そして米国の兵士が迷い込んでしまい、初めのうちは憎みあっていた彼らが戦争よりも畑を荒らす猪のことを気にす…

美しい少女。ただし身長5メートル。

どう見ても子供嫌いなオジサンオバサンたちが子供になにかを強制するための法律改定に汲々としているのを見せつけられて生きてるのがヤになった。そんな時は美しいものを観たり聴いたりして心の波を鎮める。 以前観た時にも衝撃を受けたのだけど、今回あらた…

「光」と「風」と「におい」のあるアニメ。

オランダ出身のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットによるたった8分間のアニメ「Father and Daughter(邦題:岸辺のふたり)」。YouTUBE版「Father and Daughter」(Macな方に。)Gyao版「Father and Daughter」(Winな方に。こちらの方が高解像度です。)光…

邦画嫌いが二回観た。勝新・田村の「兵隊やくざ」。

ナマケモノの私にしては珍しく最近仕事が立て込んでしまった。 引きこもってMacとにらめっこしてたわけだが、そこは集中力のない私のこと、ついつい横道にそれてしまう。 といっても酒を呑めるわけでもない私が家の中でする遊びといえば、何かを修理してるか…

話の話。(期間限定、お早めに!)

私の家を訪れた人はほぼ無理矢理見せられることになるアニメーション、ユーリ・ノルシュテインの「話の話」と「霧の中のハリネズミ」。只今Yahoo動画にて上記の2作品を含む52本のロシアアニメが11月20日まで無料上映中。これまでも何度も何度も何度も見た。 …

維新派公演「ナツノトビラ」を観た。

梅田芸術劇場に維新派公演「ナツノトビラ」を観に行った。 前回の「キートン」に残っていたウェットな部分をさらに剥ぎ取っていったような舞台だった。 モノクロの舞台装置にモノクロの衣装。南港公演で目を見張らされた舞台装置の劇的な転換もなく、またシ…

「Corteo」観ずして死ぬなかれ、って言ってもいい?

Cirque Du Soleilの新作「Corteo」のDVDをやっと観ることが出来た。「Corteo」とはイタリア語で「葬式の行列」を意味するらしく、ベッドに横たわり死にゆく老クラウンのシーンから始まる。舞台で起きる出来事は老クラウンの回想シーン、という設定のようだ。…

反正月映画。

大勢の人が一斉に同じことをする、ということになぜか恐怖感を感じる。前世で強制収容所にでもぶち込まれていたのだろうか。 であるから歳時記的行事が苦手だ。特に年末年始はクリスマスや正月など、幸せな顔を強制されるがごとき行事が続くので意味もなく腹…

ホテル・ルワンダ

「ホテル・ルワンダ」という映画を観た。 詳しくは公式サイトを見ていただきたいが、1994年に起こったルワンダでの内戦の中で極限状態に置かれた実在の人物をモデルにして製作された映画だ。映画の中では殺戮シーンも戦闘シーンも殆ど登場しない。それなのに…

ZINGAROを見た。

ZINGARO(ジンガロ)の最新演目、LOUNGTA(ルンタ)を見た。といっても来日公演はとっくに終わっているのでDVDでの鑑賞である。 随分以前友人からフランスで見たというZINGAROの話を聞いてから一度見たいもんだと思っていたのだが、今回の来日公演は東京だけ…

アレグリア2

シルク・ドゥ・ソレイユCirque du Soleilの「アレグリア2」を観に行った。 DVDで観ていたく感激し、来日を心待ちにしていたのだ。 「2」とはいうものの、オリジナルの「アレグリア」とプログラムは殆ど変わらず、DVDで耳や目に焼き付いていたシーンが目の前…