臆病者の小声でも。

ブログなるものを始めてから二年弱、日付もとびとびのエントリーながら今まで続いてるのは三日坊主の私にしては悪くない。
続けていられるのは、数少ないとはいえ毎日読んで下さっておられる方々がいてのことだ。やっぱり自分の書いた文章を誰かが読んでくれ、またなんらかの反応がいただけるというのはとても嬉しい。(読んで下さってる方々、コメントやトラックバックを入れて下さる方々、ありがとうございます。)

で。たまに自分の書いた文章を読み返してみるんだけど、「随分エラそうな奴だなあ。」と思ってしまう。最初はデザインの仕事をしていて感じた事や音楽や映像に接して得られた悦びなどをボチボチ書いてみようと思ったのだけど、この国を動かしている人々の最近のとんでもない言動に対して隅っこからででもなにか一言でも異議を申し立てたのだという足跡を残したくなる。

そんな「随分エラそう」な文面からはもしかしたら見て取れないかもしれないけど、実は私は政治的な立場を表明するということにいつも恐怖を抱いてる臆病者なのだ。
もちろんこんな影響力が0に近いブログに弾圧が加えられるようなことはまだ当分ありそうにないけど、それでも単なる政党チラシをマンションのポストに投入しただけで逮捕され長期拘留されるなんてことが再び始まったこの国では単なる妄想だとは言えなさそうだし、また現在でも皇室や宗教カルトに対する批判は匿名者からの攻撃を受ける可能性の高い、リスクのある行為になる。そういうエントリーをアップして脅迫メールやカミソリ入り手紙などを受け取ったりした日には臆病者の私はかなりビビると思う。

だけど。
一番怖いのは、自分がそういうリスクを負うことを恐れて黙り込んでしまうことだ。
日頃エラそうなこと言ってるのに、自らリスクを負うハメになったときには黙り込む自分の姿を突きつけられることが一番怖い。
たとえば、自国の負の歴史に目を背ける人々が強制しようとするかぎり私は日の丸や君が代を受け入れたくないけど、式典などでほとんどの人々が起立して君が代斉唱をしているなかで着席したままでいる勇気が自分にあるかどうか判らない。
着席したままで周囲の人々に奇異な目で見られるのは怖いし、右翼みたいな奴らに絡まれるのはもっと怖い。でもその恐怖に負けて同じように起立し君が代を歌ってる自分を見るのはもっと怖い。

自分がそういう立場(この国の公立校の教職員はすでにそういう立場に身を置かれているのだ!)に立たされる日が来ないように祈る臆病者なんだけど、そういう日が来ないように祈るだけでは仕方がない。だからこんな隅っこででも出来るだけ声をあげ続けていこうと思っている。