ハメルンの笛吹に従うな。

岩国市の住民投票に対して橋下次期大阪府知事が発言しているあれこれ。正直に言うと怒りに頭がクラクラしてる。

「 国の防衛政策に地方自治体が異議を差し挟むべきでない」
「 岩国の人たちが住民投票をやることには反対」
「学者なんかに政治の現場での生の憲法がわかるわけがない」
「(東京都の)石原知事が、学者が国を滅ぼすと言ってましたが、まさにその通りと思います」

岩国の住民投票の結果が現行の法制度の元では政府の政策に法的にストップをかける力を持たないことを知っててこの人は言ってるんだろうか?
法的な拘束力を持たないにもかかわらず岩国の人々が住民投票を実施しようと必死になったのはなぜなのかがわからないのだろうか?

たしかに彼が言うように私達は多数決制度を受け入れ、その結果選出された政治家達に国の運営を託している。
だけどそれは白紙委任状を出したということではないはずだ。誰かに投票するということはその人物の政策や思想を無批判に受け入れるということとは違う。それは与党に投票しようが野党に投票しようが同じことだ。
政治家達のやり方に異議がある時は私達には意見を表明する権利がある。選挙の結果や法的拘束力の有無の如何に関係なく。それがこの国の憲法のあり方、民主主義のあり方ではないのか。憲法のどこにも「ハメルンの笛吹の後をついて歩け」なんて書いてない。

「生の憲法」だって?笑わせるな。岩国の人々がたとえそれに法的な拘束力が無かろうとも自分たちの意見を表明しようとしているそのことこそが「生の憲法」なんだ。