愚かさは罪。

もう力が抜けてしまう。
為政者の愚かさは罪だ。

この方とそのお仲間たちがテキストに起こされた国会衆院予算委での民主党枝野議員と柳沢厚労相との質疑応答を読んでみて欲しい。(こちらに途中までがダイジェストされている。)

その中で枝野議員の質問、

「(04年度の厚生労働省調査の時点で)なぜ産科、産婦人科と外科だけ減っているのか、大臣はご理解されてますか?」

に対する柳沢厚労相の答弁。

「産科はですね、先程来私も触れたかと思いますけれども、出生数の減少で医療ニーズがはっきり低減している、ということの、まあ、反映というふうに、え〜、承知をいたしております。」

...。
小児科医は減少していない、という調査数字が横に並んでいるというのに。
担当大臣がその職掌範囲の全てを把握していなければならない、なんて言わないけど、これはあまりにひどすぎないかい?その辺の居酒屋談義じゃないんだから。
また、現在の産科医療の空洞化対策に関して述べている安倍氏や柳沢氏の答弁の空疎さ。これじゃ何も言ってないのと同じだよ...。

他にもすごいのがあるぞ。
首相官邸主導の「家族・地域の絆再生」政務官会議プロジェクトチーム、その名も

あったかハッピープロジェクト」。

このチームの「基本的な考え方」が
「今日の深刻な少子化の原因の一つとして、過度に経済的な豊かさを求め、個人を優先する風潮があると考えられる。家庭生活よりも職業生活を優先させ、個人が自らの自由や気楽さを望むあまり、生命を継承していくことの大切さへの意識が希薄化し、「結婚しない」あるいは「結婚しても子どもを持たない」方が、経済的、時間的な制約に縛られることがより少ないという考え方を背景に、非婚化、晩婚化、少子化が進んでいるという側面は無視し得ないと考えられる。」だそうで、それでもってその対策のひとつが「町内会の活性化」...。

これ居酒屋談義とどう違うの?こんなのに税金使ってるの?
もうため息しか出ません。
彼らのいう「教育再生」にしろ「少子化対策」にしろ、なんで印象論からしか立脚できないのか理解不可能。「科学」とか「論理」という言葉はこの人たちには存在しないのか?

気を取り直して。
話は少し変わるが、上記の国会衆院予算委の質疑応答をテキスト起こしされた方々のご苦労には頭が下がる。
こうやって無償の力で集められた情報が共有されていく、ということにゾクゾクするものを感じる時がある。まだまだこの国ではネチズンが具体的な政治力を持つ、というところまではいってないかもしれないけど、これからもっと面白くなっていくに違いない。ノスタルジジイたちを置き去りにして。(しかしこの国の行政府は「国会中継にも著作権がある」なんてことを言ってたりする。オジサンたちはなんでも「占有」してなんでも「換金」する発想しかないんだよね、きっと。)