ホテル・ルワンダ

ホテル・ルワンダ」という映画を観た。
詳しくは公式サイトを見ていただきたいが、1994年に起こったルワンダでの内戦の中で極限状態に置かれた実在の人物をモデルにして製作された映画だ。

映画の中では殺戮シーンも戦闘シーンも殆ど登場しない。それなのにとても恐ろしい映画だった。
それは80万人もの人々が虐殺されたのは私たちがルワンダを見捨てたからであること、そして未だに世界のあちこちで同じようなことが行われていることを突きつけられるからだ。
映画としては優れたショットがある訳でもなく、どちらかと言えば凡庸な出来であるようにも思える。それでもこの映画には、実際に起きた事を知らせずに済ませたくはない人々の思いの分だけの大きな力がある。

私たちの父や祖父は同じようなことを自国の外で行ったのだ。
そしてその事実を無かったことにしたい人々の声がこの国の気分を支配して来ているような気がする。

2006年1月14日から全国順次ロードショー、機会があれば是非観ていただきたい。

追記:
この映画は当初日本国内での公開の予定はなかった。
大スターが出演している訳でなく、スペクタクルシーンも皆無だから日本の配給会社のどこもこの映画を買い付けなかったのだ。公開にこぎつけた経緯はこちらを。