蜜蝋製の死体

探していた写真集がいつのまにかタッシェンから廉価版で出ていたので速攻で発注。オリジナル版はプレミアが付いているがタッシェン版は3000円しない。タッシェンエライ!
何を買ったかというと、「Encyclopaedia Anatomica 」。
フィレンツェのスペゴラ博物館にある、18世紀に蝋で製作された人体解剖模型の写真集である。
現代の即物的な解剖模型と違って、なにやら艶めかしい。
この女体に至ってはちょっとピグマリオニズムな気分に陥ってしまいそうだ。
少量の血を見ただけで貧血を起こす私にはネクロフィリアの素質はなさそうだが、この写真集に載せられた作り物の死体はどれも美しい。
職人技に対する畏敬なのか、それとも時代を遡っても変わらぬ知識への渇望を感じるからだろうか。