ソニー、火だるまです...。

以前にも書いたと思うが、SONYの製品を購入する気がしない。
いわゆる「ソニータイマー」の発動に多々見舞われた体験ゆえもあるのだが、それよりも最近のソニーの製品には企業としての志を感じられなくなっているからだ。

少し前にソニーBMGというソニーのグループ企業が発売するCDにスパイウェアが仕込まれていた、というニュースが世界中のメディアを駆けめぐった。
なぜかわが国のメディアではそう大きく取り上げられることなく問題は終焉してしまったかのような雰囲気だが、少し調べてみただけで現在のソニーという企業が蝕まれている病理がかいま見える。CDにスパイウェアが仕込まれていたこともユーザーに対する背信だが、それに対するフォローに全くユーザー視点が感じられないのだ。

ソニーのCDにはRootkitなるものが仕込まれていたのだが、Rootkitは殆どウィルスに近い位置づけの代物で、素人では取り除くことはおろか検出さえ出来ない。その上、半端な知識でRootkitを排除しようとするとPCに深刻な問題が起きる。
CDに仕込まれたRootkitはMark Russinovich氏によって発見され、彼のブログによってソニーBMGのしたことの重大さを世界中に発信されてしまった。
(ちなみにMark Russinovich氏のRootkit発見までの経緯は推理小説を読むようで大変面白い。)

参考:Mark Russinovich 著/畑中 哲 訳
Sony, Rootkits and Digital Rights Management Gone Too Far

また、ソニーBMGのその場しのぎの対応が下記のブログに時系列に整理されているのだが、それを読むとソニーBMGの経営陣の愚かさがさらに浮き上がってくる。

Rootkit の話題って目立ちましたね・総集編

さらに本家ソニーのサイトを見ても、このRootkitが組み込まれているCDのタイトルリストもRootkit駆除の方法もどこにも見あたらない。日本国内でも推定で20万台以上のPCがこのRootkitに感染(あえて感染と言う。)しているというのに、全くユーザーをバカにしてはいないか?

と、思ってたらまたまたソニーがやってしまった。
一般ユーザーのブログに見えるPRブログにてアップルをけなしたのはいいが、ものすごくわかりやすいボロを出してしまったのだ。

ウォークマン体験日記(キャッシュ)

HDDウォークマンが発表された時に、ソニーの首脳陣が「これでiPodのトップシェアを奪い返す。」と豪語していた。iPodが既に構築したインフラが見えていないこの発言に失笑してしまったが、こういう広告戦略を採用するようでは...。

「貧すれば鈍する。」とは正に今のソニーの現状を表す言葉だ。