デザイン

 すべての武器を楽器に。

外形デザインをお手伝いしていたアコースティックギターが仕上がってきた。 量産品とはいえ手工に近い製品なのでそれなりの価格帯のギターではあるのだけど、クライアントのご好意により一本譲っていただくことが出来た。 デザインの仕事していて嬉しいこと…

 地球の笛吹き。

iPhoneがわたしの手元に来てから数ヶ月。そろそろ飽きてもいい頃だと思われるだろうが、実は一向に飽きる気配もなく、どころかワクワク感がずっと持続している。というのも次から次にリリースされるiPhone用アプリケーションに「その手があったか!」とか「…

 ふるやのもり。

山の散歩をしていて見つけた古い木造校舎で昼寝をした。 小さな体育館の日当たりのいい窓際に置かれた長いすに寝ころんで過ごすどうってことないひとときがこんなにも幸せなのはやっぱりどこか病んでるのかなあ、などと下らない事を考えたりしながらガラス障…

 水のオルガン。

モテタイ一心でなけなしの小遣いを貯めてアコースティックギターを買ったのは高校生の頃。腕の方はその頃からさして上達していないのが情けない。向上心もセンスも無いわたくし、もはや華麗なるギタープレイ姿でご婦人方を魅了する計画は放棄して久しいけど…

 わたくし「Linus」になりました。

DOCOMOの偉いさんがiPhone騒ぎを見て「我が社の端末もプラダ携帯などはiPhoneに遜色ない操作性を持っている。」みたいなことを言ったのを聞いて、日本の携帯屋はやっぱり絶望的に何もわかってないのだなあと。端末の個別機能の問題ではなくてビジョンの問題…

 1984。そして2008。

懐中が心細いわたくし、二年間で最低20万円のランニングコストに見合うほど使い倒せるのかとiPhone購入にはいささか腰が引けてたせいもあり、仮予約していたにもかかわらず「品切れです。」とのショップからの電話にある意味ほっとしていたはずなのに。 「キ…

 女らしいってわかるかい?

デザイナーって商売をしてるとジェンダーバイアスについて考えさせられることが多い。男性用女性用のラインアップがある製品を手がけるときに有無を言わさず男性用=寒色、女性用=暖色の配色を強いられたりするのは分かりやすい例だけど、わたしがかつてサラ…

「無駄だらけ」だから官能的なんです。

このところいささか情緒不安定なワタクシではあるのだが、保守人士が発言するあんなことやこんなことを目にしたばかりではあるまい。 情緒不安定といえば、私の仕事道具であるMacの最新OSへの移行作業というのも相当にストレスの溜まる行為であって、外の世…

0と1になったわたし。

このところ、かのSECOND LIFEセカンドライフ(以下SLと略)の中を歩き回ってはいろんなところを覗いてみたりいろんな人と話をしていてブログの更新が滞ってしまった。今やSL失敗論があちこちで語られているようだし、あれだけ書店に並んでいたSL解説本もほと…

ハッスル!ハッスル!

テレビ放映を知らずにいて見逃した「ハッスルマニア2007」が、とあるアップロードサイトに上がっていたのでありがたく視聴させていただく。いや、「ハッスル」って永年のプロレス者にある種の答えを迫られるイベントですね。(「ハッスルってなんだ?」って…

カメラが欲しい。

フィルムやプリントの費用を気にせずにシャッターを押せるデジタルカメラの普及でフィルムカメラ時代とは「写真を撮る」スタイルは大きく変わったと思う。家族が一列に並んで「気を付け」の姿勢で撮るような「ハレ」の気分は無くなってきただろうし、「記念…

ただ今銀色の豹と戯れてます。

仕事にプライベートに使ってるのはもっぱらMacintoshなんだけど流石にサポートの終わったOSで頑張ってるのにも無理が出てきた。WEBサイトを普通に見るのさえ難しくなって来てるし。第一デザイナーという仕事をしていて新しい技術に知らんぷりをし続けるのも…

「どうやったらデザイナーになれますか?」

時折「どうやったらデザイナーになれますか?」っていう漠然とした内容のメールを未知の若い方々からいただくのだが。ふと見つけた勝田声優学院の公式サイト。 ここの「声優志望者Q&A」が爽快無比。全然知らないジャンルなのに、会ったこともない勝田学院長…

ひとはなぜデザインするのか?

少し前に局所的に話題になった「ガムテープ書体」。 新宿駅の臨時案内表示が独特かつ完成度の高い書体で表示されており、またそれがガムテープのみで作成されていることがネットで局所的に話題になっていたのだが、それを書いていたのが全く絵画やレタリング…

「貧乏」と「貧乏くさい」は違う。

またまた車ぶつけられた。今の黄色いホンダ・ビートに乗り換えてからこれで三度目だ。その前乗ってた赤いビートでも一度追突された。いずれも私は停車している時。どういうこと? お陰様で走行18万キロの太古車なのにバンパーとボンネットはいつもピカピカ。…

セアカゴケグモと入道雲。

たまには肩の力の抜けたことでも書こうかな。商業デザインは、発注者に出来上がったスケッチなり企画書をプレゼンテーションする時が仕事のヤマのひとつなんだけど、そのプレゼンテーションが一発で通ることは少ない。たいがい色々なダメ出しを食らってより…

ジョブスのイタ電。

あれからずっと鈴木常吉の歌声に浸ってる。冴えない風貌の、少々音程も頼りないおっさんの歌がなんでこんなにいいんだろう?透き通った侘びしさがたまらない。孤独を愛する全てのおっさんおばさんにおすすめのCDです。鈴木常吉の「ぜいご」。話は変わるが、A…

良いデザイナーとダメなデザイナーの見分け方。

先日とある団体よりセミナー講師の任を受けておこがましくも大勢の方々の前で喋らせていただいた。 セミナーの主な目的は、デザイナーの導入経験のない企業のために費用の見積もり方や依頼の仕方等の具体的な事例を解説しつつデザイン導入の意義をお話する、…

アダルト・グッズ、デザイン致します。

知人のデザイナーと今年のグッドデザイン賞(主催:財団法人日本産業デザイン振興会)の話をしていて、今年のデザイン賞選考時にある申請商品が話題になったのを思い出した。 その商品とはTENGAという男性用マスターベーション補助具なんだけど、選考委員会…

お尻の拭き方、その2。

先日のお尻の拭き方についてだけど、丸める拭き方が女性に多い(といっても私の周囲で聞いた範囲でだけど。)理由ついて複数の女性から「液体がしゅんで手に付くかも、という危惧を常に女性は持っているからではないか?」とサジェスチョンをいただいた。(…

お尻の拭き方。

以前輸出もされる商品のデザインにはその国に適したローカライズが必要になる事もあると書いたけど、それは国内でしか流通しない商品であっても同じだ。以前勤めていたデザイン事務所では家庭日用品を主にデザインしていたのだけど、そこでの仕事で色々面白…

「不安」でモノを売るということ。

「デザインする」という行為は「モノを売る」ための行為でもある。 また、「モノを売る」ということは「飢餓」や「不安」を生み出すということでもある。 たとえば毛穴に汚れが溜まることなんて、顕微鏡で拡大した毛穴をテレビで見せられるまでは誰も気にし…

クロスカップリングの無いデザインを。

先日テナント仲間の社員の方が最新iPodを入手されたので、それまで使っていたiPodをお下がりにいただいた。バッテリーが寿命だったけどAPPLEの有償バッテリー交換サービスに出したら新品になって返って来てゴキゲン至極。今まではCDを沢山入れたカバンを持ち…

自動読経マシーン。

時々のぞきにいく古道具屋さんで入手した。 スイッチを入れると、なにやらチャカポコした伴奏と共に、中国語なのか「ナ〜モア〜ミ〜ダ〜ポ〜ポ〜」としか聞こえない念仏を唱えてくれる。それにしても、これは一体どういう用途を想定して作られたものなんだ?…

パクリとアートとデザインと。

少し前の話題になるけど。村上隆氏が子供服メーカーを著作権侵害で提訴していた件はメーカーが氏に数千万の和解金を支払うことで和解が成立した。提示された双方の著作物を見る限り誰が見ても類似性が認められるものを商品にして販売した子供服メーカーは愚…

騙される快感。

ここで見たどこから見てもこっちを向くドラゴンが面白かったので自分でも作ってみた。(型紙も上記のリンク先で入手可。) 普通に見ていると単純な紙細工なのに、ある一点を超えると視界が揺らぎはじめて存在しないものが現れる。それが面白くてついつい仕事…

「デザイン家電」って...。恥ずかしくない?

台湾の液晶テレビブランド、HANNspreeが面白い。約100種類もの液晶テレビ(主に15インチまでの小型のもの)を発売しているそうだ。私がサラリーマンデザイナーの時によくやらされたのが、標的となる消費者層を絞り込むために消費者をある基準で分類して再配…

つんのめるデザイン。

ポストに手紙などを投函する時にいつも一瞬とまどう。 なぜなら「はがき・手紙」が赤字で表記され、その他の「速達や定形外郵便物」は水色で表記されているからだ。大抵の人は郵便物に関しての赤字表記は「速達」だと刷り込まれているだろう。はがきや手紙の…

スパイカメラの血をひく。

ミノックス35GTは、スパイ映画でよく小道具に使われる超小型カメラが有名なミノックス社より80年代初頭に発売された35mmカメラである。 趣味性の高すぎる超小型カメラのみのビジネスに限界を感じたのか、激戦区の35mm銀塩カメラに参入したのはいいが既に時は…

凄いデザインのカメラは共産圏出身。

WERRA(ヴェラ)は1950年代に当時共産圏だった東ドイツで作られたカメラだ。 第二次世界大戦後にカール・ツァイスは二分割され、東ドイツではツァイス・イエナとして数々のカメラを生み出した。WERRAはその中の一つだ。黄金分割で構成された筐体には一見何も…