豚の孤独。

深夜に食事に出かけオフィスに戻る時、無人のフロアに明かりがついていたのでふと目をやると豚がいた。

私がオフィスを構えているビルの低層階はショッピングモールになっているので、夏休みになると子供向けのイベントが色々行われている。その中にワニやヘビを展示してガキ共にも触らせてくれる「ハ虫類王国」なる催しがあり、豚はその呼び込み役としてエントランスで愛嬌を振りまかされるために連れてこられたようだ。

深夜、巨大な無人の建造物の中でひとりたたずむ豚。
なんだか胸を衝かれた。
あまりにも孤独すぎる風景。

動物に人間の心象を投影するのは感傷的なことだとは思うのだけど、こんなに胸を衝かれる風景には久し振りに出会った。


写真の矢印はガラスに貼られた案内用のもの。豚を指しているように見えるのは偶然です。