性なる夜。
「お前ら!今日は帰ったらセックスすんねんやろ!アホンダラ!!」
パンクバンドにしては巧すぎる音をバックにボーカルの後藤まりこが叫ぶ。
下着丸出しで床をのたうち回る。「シネ!」「シバクゾ!」「コロス!」と喚き散らす。ドラマーにビンタ。壁のポスターを引きちぎる。客の頭をわしづかみして振り回す。自分の頭も掻きむしる。そしてガタガタのテーブルによじ登ってダイブ。
クリスマス・イブの夜、ミドリのライブでの光景。
セーラー服を身に纏った彼女のヒステリックな振る舞いは、ステレオタイプなパンクスにありがちなただの気を衒ったパフォーマンスかも知れない。
それでも観るたび聴くたびに儚く切ない気持ちになるんだよなあ...。なぜなんだろうね?