屋根の下で暮らす権利。

フランスで教育や医療を受ける権利と並ぶ国民の基本的な権利に「屋根の下で暮らす権利」が加わるそうだ。ホームレスや母子家庭は08年、一般国民は12年から、人間的な生活が営める住宅にアクセスできなければ、裁判所が国や自治体に住居の提供を命じることができる法案法案が可決される見込み。「繁栄のそばに極度の貧困がある現実と戦うために居住権を基本的な権利に据える必要がある。(シラク大統領)」

わたしが仕事場への行き帰りに通る道筋にサッカーJリーグセレッソ大阪の本拠地として知られている長居公園という大きな公園がある。
そこで2月5日に起きていたこと。

釜パト活動日誌

ヒデヨヴィッチ上杉さんのブログ

草加耕助さんのお部屋

ぜひ読んで見て欲しいテント村住民たちの大阪市に対する弁明書

長居公園テント村強制撤去問題

年若い頃にたくさんあった心配事のなかでも「大人になった時に仕事がなくて路上で暮らさなければならなくなったらどうしよう?」という恐怖がとても大きかった。自分の能力に極端に自信の無かったわたしは、ちゃんと仕事をこなして収入を得る大人になることがイメージできなかったのだ。
今だって収入の不安定なフリーランスの身であるし、住処を失うこととは地続きであるという恐怖が常につきまとっている。

何の役に立たなくてもわたしは行くべきだった。
わたしたちが同じ「にんげん」を蹴散らしている場所に行くべきだった。
行かずにいたことが恥ずかしい。

長居公園は「きれい」になった。7人の住人の強制排除に550人の市職員やガードマンが動員され、生活道具の撤去・保管費用として10万円の請求書が彼らに手渡された。

友だちになったテント村住人が排除された跡地で涙を流していた近隣住民がいたそうだ。

by sivaprod | 2007-02-20 08:21 | ポリティック | Trackback | Comments(6)
Commented by yas at 2007-02-21 03:52 x
長居の問題は、まだ答えが出せずにいます。
ただ、撤去者(雇われて仕事として携わった人)を悪人のように報道したことには、違和感を覚えて仕方がないんです。
かつて、豊田商事の仕事をしていた制作会社○○○でパンフレットを作っていたデザイナーは、やはり悪人なのか…。事件発覚後、自殺した人もいるとも聞きました。やはりイロイロ考えると簡単に答えは出せません。
ぼんきちさんも書いておられます。
http://air.ap.teacup.com/bonkichi/
Commented by sivaprod at 2007-02-21 05:59 x
>yasさん
>撤去者(雇われて仕事として携わった人)を悪人のように報道したこと

為政者もメディアも弱者同士を食い合いさせてること、自分も弱者のはずの人たちが「自分以下」を見つけて安心してることに腹が立つんです。わたしだってつい「自分がホームレスやなくて良かった」と思ってしまう弱い人間ですが、それでも彼らとの境界が地続きやということは自覚しておこうと思うんです。わたしが野宿せずにすんでるのはただの幸運やと思うようにしてるんです。

それに今回の強制排除、税金をドブに捨ててるあの大阪市のやったことだから余計にやり切れません。

Commented by gegenga at 2007-02-24 09:12 x
上野公園では「強制撤去」ではなく「公園整備」を行うことで、路上生活者を追い出しにかかっているようです。
そんなことしたって、まったく根本的解決にはならないのに。

「屋根の下で暮らす権利」。
世界中の人にあると思う。

Commented by sivaprod at 2007-02-25 05:17 x
>gegengaさん

公園居住者の人の「犬や猫は公園に自由に出入りしたり住みついたりしてるやないか、わしらは犬猫以下というわけかい!」って叫びが苦しいです。貧困と闘わず貧者と戦う行政って誰の為のものなんでしょうか。

Commented by ぼんきち at 2007-03-19 01:04 x
どうも、はじめまして。

屋根の下で暮らす権利....
毛皮も牙も爪もナイ、はだかの動物である<人類>には、当然の権利ですよね。


自分のブログ内で、ある方へのレスでも書いたのですが↓

旅行先のブラジルで会った、ある路上詩人の言葉が印象的でした。

「ファベーラ(不衛生で治安の悪い違法スラム街)でもいいから、屋根のある所で暮らしたい。路上は恐ろしいことが多い。(※襲撃や嫌がらせなどのことを言っていたのでしょう。)」

ブラジル語(ポルトガル語)をほとんどしらない私のために、彼はなまりの殆どないきれいな英語で喋ってくれました。

ブラジルで、英語を話せる人というのは、まずまちがいなく、しっかりした教育を受けた人なのだそうです。ビジネスの為、個人的に英語のレッスンを受ける人は少なくないそうですが、授業料がなかなかええお値段なのだとか。
彼の過去はきけませんでしたが、もとはしっかりした安全な<屋根の下で>暮らしてたことは、想像に難くありません。

屋根の下で暮らせる権利.....ほんとうに全ての人が屋根に守られて安全に暮らせたらいいのに。

どうもお邪魔しました。

Commented by sivaprod at 2007-03-19 07:15 x
>ぼんきちさん

書き込みありがとうございます。
この国の弱者への冷たさは一体なんなんやろう?って最近とみに思います。そして弱い者どうしが噛み合いさせられているのが悔しくてたまりません。なんでこんなに他人を疑ったり憎んだり蔑んだりするひとびとがこの国を動かしているんだろう?

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