カルネアデスの舟板。

えー本題の前に。
インフルエンザになってもタミフルは飲まない方が良さそうですよ。特に青少年。
日本政府が医療機関タミフルを2500万人分2億5000万カプセルを備蓄するべし、という行動指針を出しているんだけど、タミフルの特許を持っている会社って小泉前首相と仲良しのラムズフェルドさんが大株主で、これまでアメリカを除く世界中の流通量の8割を日本が買い上げているんだって。それもあってラムズフェルドさんは100万ドル以上の大儲け。他にも株主には米共和党政権の大物連中。タミフルが原因とおぼしき症例でこれまで国内で50人以上死んでいるのに例によって厚生労働省は「死亡と副作用の因果関係は不明。」の一点張り。またかよ...。

薬害タミフル脳症被害者の会

さてさて、なんだか本格的な冬を迎えずに春がやって来そうな気配だけど、再び冬に突き戻されそうな人たちがいる。
大阪市長居公園や靫公園からテント村住民を寒空の下に追い出しただけでは済まず、今度は3000人の日雇い労働者の最低限の生活をする権利すら剥奪する振る舞いに出たようだ。

釜ヶ崎解放会館・住民登録抹消問題

マスメディアは「雑居ビルに3000人!?」などの見出しでこの問題を「架空銀行口座作り」や「不正選挙投票」などと同じような論調で報じた。
事実関係だけで言えば居住実態のない住所での住民登録は法令違反かもしれない。
しかし「一定期間の居住実態がなければ住民登録が出来ない」法令を厳密に適用すれば日払いの安宿を転々とせざるを得ない日雇い労働者は永遠に住民票を作れないことになる。
住民票が作れないということは各種保険に加入したり銀行口座を作ったり選挙権を駆使したり出来ない、あるいは年金の受給資格があっても受け取れない、それ以前に安定収入を見込める職にだって就けない。つまり最低限の社会生活をすることが出来ないということに等しい。
だからこそこれまで西成区役所は居住実態のない解放会館での住民登録を認めてきたのみならず、勧めさえしてきたのだ。その結果がひとつの建物に3000人以上の住民登録がある、という事態だ。

これは「緊急避難」じゃないのか?
カルネアデスの舟板」という命題がある。
「嵐の海に放り出された二人の男が一人分の体重しか支えきれない一枚の板を見つけた。生き残るために一人がもう一人を突き離しその板に掴まったところ、つかまった男は助かり突き離された男は死んでしまった。これは殺人であるか?」というものなんだけど、今回の事態では舟板につかまっているのは「最低限の人間らしい生活」と「住民基本台帳法という行政法」になる。

私たちはどちらを助けるべきなんだ?