ちんちんはみ出した福の神。

自公政権辺野古での暴力に飽きたらず、今度は米軍基地に反対する自治体を黙らせることの出来る米軍再編法案を強行成立させるつもりのようだ。はたまた今や東京でもこれまでになく貧困層が増大してるにもかかわらず政治家と商人は結託してまだまだ私たちから命とカネを絞り上げるつもりらしい。内閣府の規制改革会議とやらがこんなことを言ってる。

「(最低賃金の引き上げは)賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」
「労働者の権利を強めれば、労働者保護が図られるという考え方は誤っている」
「過度に(女性労働者の)権利を強化すると、雇用を手控えるなど副作用を生じる可能性がある」

お前らは奴隷が欲しいのか?

荒んだ気分にさせられる事ばかり書いていてもつらいので少し気分を変えて。
引きこもり気味のわたくし、ネット通販を大いに利用しているのだけど、ある通販サイトの注意書きにふと目が止まった。そこには「当店の”仙台四郎”は樹脂製の中国製品ではありません。」と書いてあったのだが、中国製の量産品が出回るくらい「仙台四郎」がポピュラーになっているとは知らなかった。

仙台四郎」って何だ?っていう方に簡単に説明すると、要は招き猫や福助のように商売繁盛を願って飾る置物だったりする。和服を着た男がだらしなくほほえみながら腕組みをして正座してる姿の置物なんだけど、捲れた着物の裾からはなぜかちんちんがはみ出ていたりする。なんで?

で、この地味に珍妙な招福人形は明治時代に仙台に実在した「四郎」氏をモデルにして作られたので「仙台四郎」と呼ばれるのだ。
ホンモノの「仙台四郎」はほとんど口がきけない知的障害者だったそうでひたすら仙台の町をうろつきあるいはあちこちの商店に入り込んでは店先を勝手に掃除したりするばかりだったが、彼が寄りつく商店はなぜか繁盛するとしていつしか福の神としてあちこちでもてなされるようになり、死後その写真が「福の神・仙台四郎」として商品化され仙台の飲食店などで飾られだしたそうだ。招福人形はその写真の「仙台四郎」をキャラクター化したものだ。思うに彼が寄りついたからその店が繁盛したってわけじゃなくて彼を邪険に扱わない店だったから繁盛したのだと思うのだけど、それにしてもちんちんをはみ出させた人物が福の神に、っていうのが面白いなあ。

昔、というか私の小さい頃でも知的障害者や失業者に対する蔑みを表に出す人は現在よりもずっと多かったと思うし、またそんな時代に戻るのはまっぴらゴメンだけど、「生産性」に寄与しない存在に対するキャパの広さも同時に持ち合わせていたように見える。私は「昔の人の方が優しかった」とか「昔の方が世の中が暖かかった」などとは必ずしも思わないけど、「ええかげんさ」「緩さ」は現代よりも確実に満ちあふれていたような気がするのだ。

仙台四郎」、健在な頃は仙台の人々からは「四郎馬鹿」「シロバカ」と呼ばれていたそうだ。