死んだらあかん。

 電車への飛び込み自殺に遭遇した。といっても私が乗ったものの一本前で起きたんだけど、事故の起きたそのホームには飛び込んだ人の痕跡が生々しく残ってた。
 見てしまったものの無惨さもさることながら、週末の夜、何かに絶望して薄暗いホームの端に立っていただろうその人の気持ちを想像しては悲しくて仕方ない。

 何度か書いたように、この腐った国ではCDを一枚聴いている間に4人が自ら死を選ぶ。いまこうやってこんな駄文をタイピングしている間にも誰かが狂おしく絶望してるのかとも思う。
 こんなにも人間の価値を軽く見ている政治家や企業家達が経営しているこの国ではわたしだっていっそ死んだ方がマシって気持ちになるときも沢山あるけど、死んだらあかん。生きていれば「死ななくて良かった」ってなる可能性はゼロじゃない。でも死んだら何もかもゼロだ。

 「私が死んでも誰も悲しまない。」って嘆く人がいるかも知れないけど、たとえ知らない人でもその自殺は悲しい。出来るならその人が死を選ぶ前に私の悲しい気持ちが届いて欲しいとも思う。

 ほんまに。死んだらあかん。あんたが死んだら私は悲しい。