フォーエバー・ヤング。

 平均年齢80歳の合唱団「ヤング・アット・ハート」。
なんでも元々はごく普通にスタンダードナンバーを唄って楽しむ合唱団だったらしいのだけど、ある時思いつきでパンクロックを歌ってみたらあまりに気持ちよくて、以来パンクロックやハードロックを歌いまくる合唱団と化してしまったのだとか。

 以前エントリーに書いた「The Zimmers」も面白かったけど、さらにアクティブなジジババ達がクラッシュやトーキングヘッヅのナンバーをシャウトしてる絵面は愉快きわまりない。
もっとも年齢が年齢だけに仲間達が次々亡くなっていったりで、Staying Aliveなど唄われるとなんだかやけにリアルに聞こえてしまうのだけど。このじいさんなんか酸素吸入しながら唄ってるし(またこのじいさんの唄うColdplayのFix Youがすごくいいのだ) 。

 YouTubeに彼らが歌ってる様子が沢山アップされているので是非。中でも私が胸を衝かれたのが慰問のために刑務所の囚人達の前で歌ってるシーン。亡くなった合唱団のメンバーを悼みつつFOREVER YOUNG!と高らかに歌い上げる彼ら老人達と若い囚人達のコントラストがなんとも言えない。これまでに色々な事がありながら晩年を迎えているであろう老人達は道を踏み外してしまった若者達にかつての自分の姿を見てるかのようだ。塀の中の人間と外にいる人間との違いは幸運の有る無しのわずかな違いにしか過ぎないと思いもする。

by sivaprod | 2008-05-09 05:31 | 聴く | Trackback | Comments(10)
Commented by テツエン at 2008-05-10 00:12 x
これは泣ける。
このフォーエバーヤングはボブ・ディランより
素晴らしいかもしれない。
歌の持つ力や人の出会いの不思議さというものを
感じさせられた。
クラッシュのシュッドアイステイ・オア・シュッドアイゴー
もなつかしく聞かせてもらった。
Commented by 神保町春画製作所R at 2008-05-10 00:27 x
>塀の中の人間と外にいる人間との違いは幸運の有る無しの
>わずかな違いにしか過ぎないと思いもする。

 なんという映画だったか、「お前はたまたま運が良かっただけだ。そういう人間が、たまたま運が悪かっただけの者を蔑むんじゃない」という台詞がありました。

 以来私はこの台詞を心に刻んで生きております(人間なので時々は忘れますが)。私がフリーランサーとして禄を食んでいられるのは、たまたま運が良かっただけだ。決して私に特別な才能があるからではない、と。

 皆がそう思うようになってくれたらいいな、といつも思います。

Commented by sivaprod at 2008-05-10 02:16 x
>テツエン

このじいさんばあさん達見てるとなんともいえん気持ちになるね。歳を取るのも悪くない気持ちにさせられる。

Commented by sivaprod at 2008-05-10 02:23 x
>神保町さん

わたしもここまで平凡にやってこられたのは僥倖だったような気も時々します。あの時一歩間違えたら、ってことが結構あったり。

自分に責任のないことでひどい目にあってる奴とか見ると人生って不公平やなってつくづく思います。

Commented by サリーちゃん at 2008-05-10 16:54 x
涙腺が。いいなあ。なんか。
最近つくづく考えるんですよ、、人生、とか。ですか。

FIX YOU も良いし ステインアライブ、かっこいいやん。
こんなばあちゃんになってやる。
いつも興味深いもの紹介してくれてありがとうございます。
SIVAさんとネットに感謝。

Commented by argon at 2008-05-11 01:25 x
昨日(正確には一昨日)、NHKBSハイヴィジョンでピンク・フロイドのライヴ(2006年にロイヤル・アルバート・ホールで行なわれたもの)をやっていましたね。残念ながらロジャー・ウォーターズも、それになぜかニック・メイスンの姿もありませんでしたが、十分に楽しめました。jabberwockさんのところで、昔のグループが情熱もなくなったのに再結成ばかりしたがってとケチをつけておられましたが、ピンク・フロイドの場合は、多少のごたごたはあったとしてもずっと継続して演奏活動は続けてきたのですし、何より<情熱>というものが演奏のモチーフになっているようなグループでもありませんので、どうか大目に見てやって下さい。
デイヴ・ギルモアもリック・ライトも、それにゲストで登場したデイヴィッド・クロスビーとグレアム・ナッシュも、みんな見事なおじんになっていましたが、デイヴィッド・ボウイは相変わらずのスマートなハンサム・ガイでした。知っている曲ばかりではありませんでしたが、懐かしい曲は大声を挙げて一緒に歌ってしまいました。少し恥ずかしい。
Commented by sivaprod at 2008-05-11 15:30 x
>サリーちゃん
>最近つくづく考えるんですよ、、人生、とか。

それ、結構弱気になってません?(笑)
私も最近涙腺が妙に緩くなってなんということもない景色に「あれ?なんだか視界がぼやけて...。」なことに。でもこのジジババの中には家族にウンザリされてる難儀な人も沢山居るハズ(笑)。一人のひとの中に聖人も悪人も同居してるからこそ人って面白いのですよね。

Commented by sivaprod at 2008-05-11 15:35 x
>argonさん
>どうか大目に見てやって下さい。

大目に見ましょう(笑)。
おっしゃってるとおりピンク・フロイドって「音楽的情熱」というものとはベクトルの違うものを感じます。なんというか、「"ピンク・フロイド"というジャンル」とでも言いましょうか。

デビッド・ボウイは加齢しても美貌が劣化しませんよね。結構シワシワになってきてるのに。不思議です。

Commented by サリーちゃん at 2008-05-14 15:52 x
弱気・・(汗)。強気でないことは確かですね・・(笑)
でも ちょっと余裕が出てきたのかなあ、と。
鬱のときはこんなこと考えられないし忙しすぎても無理ですよね。
「人生」に限らず、ですが。

>でもこのジジババの中には家族にウンザリされてる難儀な人も沢山居るハズ(笑)。一人のひとの中に聖人も悪人も同居してるからこそ人って面白いのですよね。

確かに。92歳(!!)の祖母を見てると思います。
いいとこも悪いとこも紙一重だし、
でもひっくるめて好きになれたりするのが人間だから幸せかな、と。
自分の中にも悪人いーっぱいいるし。許して。
きれいごとばかりではないけれど、ニュートラルでいて冷静な判断がデキル人になりたいもんです。(悟りすぎてても面白くないか・・笑)
それでいてROCKなばあちゃん。(どないや・・)

話に勝手に入っちゃいますが。
確かにデビッドボウイはミラクルですよね。
こないだのニュースでブリジットバルドー見て唖然としたのを思い出しました。でもヘップバーンは美しかったような・・。

Commented by sivaprod at 2008-05-17 01:17 x
>サリーちゃん

おばあさま92歳ですか!
もういろんな意味で超越しておられますでしょうなあ。
わたくしほんとに修行が足らずいい大人になれねえなあと最近とみに実感しております。このままおこちゃまのままジジイになっていくのかなあ...。

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