死ね死ね団が狙ってる、の?



まさか私の友人知人の中には居ないと思いたいが。

 18日の衆院本会議で可決された国籍法改正案に対して「売国法案だ!」などと噴き上がる人々でネットは大賑わい。彼らはなぜか好んで「中国の偽装国籍ビジネス組織がホームレスに金を渡して中国人女性の連れている”非日本人”の子供を”認知”させ日本国籍を取得させる。」というシミュレーションをプレゼンしたがるようだが、そんな事を主張する人々は国籍法が改正されると役所に”認知届け”の如き書類が書面台に置かれて窓口にそれを提出すれば自動的に”認知”が認められるシステムになるとでも思ってるのだろうか。

 今次の国籍法改正案がかの人々の琴線のどこに触れたのかがいまいち判らないのだけど、どの方も「親子関係を立証するためのDNA鑑定を義務化しろ」と主張するところを見るとどうも”純血性”にこだわっておられるようだ。これも私にはさっぱり意味がわかんなくて、現在でもDNA鑑定を伴わない認知はざらにあるし(というかDNA鑑定を伴わない方がスタンダードなはず)さらには血縁関係でない子供を認知する例も身近にいくらでも見聞きできるはずだ。私が死ね死ね団の首領だとして外国人にガンガン日本国籍を取らせてニッポン国を乗っ取ろうという陰謀を企てるなら(そこ、笑っちゃダメ。)扶養義務の生じる認知をホームレスに偽装させるなんてまだるっこしい(というか現状での認知や在留資格の認定のシビアさを考えれば殆ど不可能な)方法など採用せんがなあ。

 中には「法律の事はよくわかりませんが」と書いたあとに臆面もなく「改正案絶対反対!」て叫ぶ理解不能(というかはっきり言って果てしないバカ)な人の姿もたくさん。挙げ句の果ては国籍法改正反対派議員の事務所に賛同FAXを大量に送りつけて通信機能を麻痺させてしまったという殆ど喜劇まで巻き起こってて。

 そんなてんやわんやを最初は笑って見ていたのだけど、実はこれがこの国の人々の基本のカタチなのではないかとちょっと背筋が薄ら寒くなってきてしまったのも事実。想像や憶測だけで他者の持つ権利を制限出来ると考える人たち。論理や知識より自分が「感じた」ことの方が大事だと思う人たち。そんな人たちの姿を見るのは今回だけではない。

 まあネットでは声のでかいバカが目立つという法則もあるゆえ私の心配も杞憂であるかも知れないが、こともあろうに最も軍隊の指揮官になってはいけない愚か者がその組織の最高位にまで登りつめてしまってた国だからなあ...。

 蛇足だけどちょっとウケてしまったネタ。
田母神氏の”論文”をアパが英訳して公表するらしいが、それは国家機密漏洩罪になるという小咄。有名なソ連小咄の応用ですね。