ファンファーレ・チォカリーアが来るぞ!

大好きなジプシー・ブラスグループ、ファンファーレ・チォカリーアが十月にやってくる。今からワクワクしてるのだ!

音楽と名の付くものならなんでも好きだが、どちらかと言うとロゴスよりパトス、下半身に響く土臭い演奏や歌に魅力を感じる方だ。
クラシックならオーストリアやフランスよりもロシア、フォークなら関東よりも関西、ブルーズならホワイトよりもデルタ、ロックならウェストコーストよりもサザン、ということになる。音楽を愉しむのに小難しい理屈は大嫌い。音楽やる奴を無分別にアーティストと呼ぶ奴も大嫌い。
そこで十月にやってくるのが、コンセプトがどうしたとか録音がどうしたとか小姑みたいなことをヌカス奴らを置いてきぼりにしてくれるオッサンたち、ファンファーレ・チォカリーアだ。

昨年の来日公演で初めて生のファンファーレ・チォカリーアに遭遇した。
住之江の競艇場予想紙を眺めているオッサンたちのような、うらぶれたたたずまいのメンバー。一応は舞台衣装だと思うのだが、スーパーマーケットで売ってるようなポロシャツやズボン(スラックスとかパンツじゃなくてズボン、なのだ)、ゴルフ帽を身にまとっている。せめて無精ヒゲくらいちゃんと剃っとけよ!といいたくなるような、正にイイ顔のオヤジたちだ。

そんなイイ顔のオヤジたちの演奏が一旦始まると、もう聴衆の途中下車を許さない勢いでダンスミュージックが止まらない。
また彼らの村で起きた楽しかったことや惨めだったことを代々語り継ぐ、迫力のあるダミ声での歌。
ステージが終わり、ルーマニアのどこかの村での宴会に出席していたようなご陽気な気分でホールの外に出ると、そこでは元気の残ってるメンバーが再び演奏を始めて客と共に踊っていた。しかもホールのロビーで投げ銭をねだっている!

重労働のために太くなった指ではバイオリンが弾けない、という理由で選んだブラスには小難しいバックグラウンドなどなにもない。ただ客を愉しませ、自分たちも愉しみ、そしてお金を貰いメシを食うためのものだ。

10/11(火)心斎橋クラブクアトロにて。聴け!そして踊れ!