アラカン、面白過ぎる。

死ぬのは奴らだ氏の反米嫌日戦線 LIVE and LET DIE(美は乱調にあり)で知った竹中労著『鞍馬天狗のおじさんは』(ちくま文庫)amazonで注文。「アラカン」の愛称で知られた役者・嵐寛寿郎からの聞き書きと膨大な資料検証で構成された労作である。

昨日届いたので早速読み出すと、あまりの面白さに読むのを止められない。
わたしがリアルタイムで見たアラカンはもうだいぶお年を召していて、映画などでは脇役にまわってからのものしか記憶がないが、この本の聞き書きの部分を読んでいるとあのはんなりした口調が耳に蘇る気がする。
ラカン、語り口調がはんなりした関西弁で迫力はまるで無いのだけど、語る内容の迫力には圧倒される。このところメディアで弁舌を奮う老人たちの賢者を装った愚者ぶりにウンザリさせられるのだが、アラカン生活体験から導き出した価値観の揺るぎなさ。こういう人こそ老賢者というのではないだろうか。

とカタイこという以前に、アラカンの好色話に抱腹絶倒、やたら「オメコ」を連発するのが可笑しくて仕方ない。
最近読んだ本の中ではダントツの面白さ。
竹中労とアラカンの、映画に対する愛情に泪すること間違いなし。
映画を愛する全ての人々に読んで貰いたい。