自作トーキング・モジュレータ

巷ではヤカンアンプなるものが密かにブームになっていると聞く(ウソ)。たまにのぞく楽器店にてヤカンアンプの現物が展示してありそれを見たわたくしはちょっと欲しくなってしまった。というのもヤカンアンプ開発者のヨッちゃんこと野村義男氏いわく、ヤカンの注ぎ口をくわえながらギターを弾くとトーキング・モジュレーターのような音が出るそうで、ハゲシク面白そうなのだ。買おうかどうしようか迷っていると同じ売り場で投げ売りされているZO-3用アンプを発見、その名もSKEL-ZO(スケルゾー)。2000円もしないのにオーバードライブまで付いている。そのパーツを利用して適当なヤカンに内蔵すれば格安にてヤカンアンプが完成するではないか!とひらめいてしまい、即座にお買い上げするのであった。

トーキング・モジュレーターとは何か?
アンプのスピーカーから細いチューブでギターの音を口元まで持って行き、そのギターの音と自分の声をミックスしてマイクで拾うとあたかもギターがしゃべっているかのように聞こえるという不思議エフェクタである。ギター弾きなら誰もが「一度は使って見たいが、でもそんな一発芸みたいなものに2〜3万円費やすのもなあ。」と考えるという、いわば憧れのエフェクタでもある。

まずはSKEL-ZOをストック状態のままギターにつなげて弾いてみる。
投げ売りされていたのも納得。樹脂ケースの箱鳴りがなんだか貧乏くさく、昔のトランジスターラジオみたいな音が出る。
これはやっぱり分解してヤカン行きやな、と今度はヤカンの入手方法をあれこれ思い描いていると再びひらめいた。
ヤカンでトーキング・モジュレーターになるなら単純にスピーカーのところをカバーしてチューブをつなげばそれでもイケルのでは?
早速深夜でも営業中の百均ショップに赴き石油ポンプとボウル状の食器を買って来て加工にとりかかる。作業時間30分でトーキング・モジュレータの完成!夜中になにやってんねん。

ドキドキしながらチューブをくわえ、ギターを弾く。

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トーキング・モジュレーターの音ってこんなん?
かすかにそれらしき音は出るのだが、いかんせんアンプのチープな樹脂キャビネットの箱鳴りの音の方がデカくていまいちよくわからん。
アンプの吸音をしっかりして箱鳴りを消し、マイクで口元の音を拾えばなんとかなるかも知れない。
とりあえず次はヤカンを入手してヤカン・トーキング・モジュレーターに挑戦する予定。

ちなみにトーキング・モジュレーターを長時間使っているとアホになる、という伝説がある。
自作トーキング・モジュレーターをいろいろ試していてわかったのだが、チューブをくわえてギターを弾いているとヨダレがダラダラ垂れてくる。さらにチューブをくわえたまま歌うと顔中の筋肉を使わざるを得なく、ものすごいアホ顔をしているのが自分でわかる。
ヨダレを垂らしアホ顔をしているギタリストを目撃した人の話がそんな伝説のもとになったのではないかと密かに納得したのであった。

追記:
ヤカンアンプの事を詳しく知りたい方はこの方のブログにて試奏レポートがアップされています。試奏データのmp3もあり。