かわちながの世界民族音楽祭・一日目

毎年この季節恒例の「かわちながの世界民族音楽祭」を観戦。
今回はお手製ピックアップをくくりつけたリケンベ(親指ピアノ)を爆音ではじきまくるコンゴのオッサンたち「KONONO No.1」が主役だ。

いやはや実にいい塩梅でした。

前座の演奏が終わり満を持して登場した彼らが演奏したのは、なんと息継ぎ無しの一曲のみ!
延々同じグルーブが小一時間続くのだが全く退屈せず、まるでいい湯加減の温泉に浸かっているかのような空気感がホールに漂う。
コンガやスネア担当は重労働だけどリケンベ担当は親指を数ミリ動かすだけの軽作業なのでギャラの配分でモメたりしないのかな?などと余計なことを思い浮かべたりしつつ、バカデカいラウドスピーカーから出てくる百均のAMラジオのような歪んだ音の洪水に身を任せるのはとても気持ち良かった。

二日目は渋さ知らズがジョイント、通しチケットを購入すると終演後のセッションも観戦できるので、本番ステージもさることながらこれも今から楽しみ。

ところで前座は和太鼓グループの演奏だったのだけど、なんで和太鼓のグループって揃いも揃ってあの手の衣裳(袖無しの単衣にたっつけ袴)にあの手の「凛々しさ」なんだ?演奏が佳境に入ると単衣を肌脱ぎして腹当てになるとこもステレオタイプだ。「伝統」など少しも感じないし、「今」も感じない。なんだか欧米人がイメージする「間違ったニッポン」を見ているようで、なんとも気恥ずかしい。今時の格好で叩いたりした方がずっとカッコイイと思うぞ。それに和太鼓界(そんなのあるのか?)ってなんだか「YOSAKOIソーラン」に似通ったヤンキー臭がするんだけど気のせい?

余談になるが、河内長野駅から「かわちながの世界民族音楽祭」が開催されるラブリーホールへ行く道筋に廃墟の如き洋食屋(二つ出てる看板に書いてある店名がそれぞれ違うので正確な店名は不明。)があるのが毎年気になっていた。今回は営業中の表示が出ていたので勇気を出して入ってみたら、店内も同じく廃墟の如き様相。案内を乞うと作務衣のようなものを着た老女が出てきて真っ暗だった店内の電気を付けてくれた。店内にはなぜかものすごい勢いで付箋のついた雑誌や藁半紙が天井近くまで大量に積み上げられており、床には何に使うのか判らないものが散乱している。席に着いて待っていると近所の住人らしきオッサンが世間話をしに入って来て老女に小声で「久し振りの客やな...。」みたいなことを言うので大層不安になる。注文しようとメニューを見ると値段を何度も上から無理矢理描き直しているので結局いくらなのか判らない。(”Wテキ4000円”とか書いてあるし。)とりあえず一番無難そうなオムライスを注文し、ドキドキしながら待つことしばし。出てきたオムライスは期待に反して?なかなかイケル。しかも大盛りである。後から同じく公演帰りらしき若い男の子たちが二人おっかなびっくり入ってきたので話をしてみると彼らも怖いもの見たさで入って来たと言う。オカシイ。彼らの内の一人は明日もKONONOを観戦、もう一人は私もチケットを取ってある28日のKiLAのライブに行くというので再会を約して先に店を出た。
店内のとんでもない状況に反してなぜかとっても落ち着く不思議な雰囲気の店。ラブリーホールへ行く機会があればぜひ。目印は黄色い看板の「アテック・ミュージアム○○(店名は失念。)」