かわちながの世界民族音楽祭・二日目

昨夜に引き続いて河内長野へ。今日はいよいよ期待の渋さ知らズの登場!

私は実はKONONO No.1もさることながらなによりも彼らを楽しみにしていたのだ。パートタイマー寄せ集めの大所帯ゆえに、関西には滅多に来ない渋さ知らズ。それがよりによって河内長野に。

現地に着くと昨日よりも明らかに多いホール周辺の開演待ちの人々。期待に胸を膨らませながら席につく。
前から3列目中央という、チケット運の無い私にしては珍しくいい席で同行者とあれやこれや喋りながら開演を待っているといきなりホール後方の扉からファンファーレとともに渋さの面々がなだれこんで来た。と思ったら既に白塗り暗黒舞踏が客席の間で尻丸出しで体をクネクネさせている。
ライブではスロースターターな私なのだがこれでいきなりエンジンがかかってしまった。

その後はジェットコースターに乗せられたかのごとくノンストップミュージック&ダンシング。
やたら私好みの男前が揃った女性メンバーとこれまた私好みのムチムチのお尻をぷるぷるさせている女性暗黒舞踏に目を奪われながらも全身に浴びる緻密でデタラメな爆音は一歩間違えたら涙ぐみそうな程キモチいい。
ダンドリストと称するリーダーの不破氏はまるで手話のような手振りでミュージシャンたちとコンタクトをとりながら次々に煙草を喫いチューハイをお代わりし傍若無人にどんどん酔っぱらっていってる。観客を乗せたジェット機は高速かつ急角度で上昇し、「ああ〜、このまま終わらないでくれ〜!」と思っている内に私の大好きな”本多工務店のテーマ”になだれ込み怒濤のエンディングを迎えた。

15分の休憩を挟んで2部は昨夜と同じKONONO No.1
1部の渋さ知らズでいいパンチを貰ったので、今度は座席にへたり込んで天を仰ぎ音の全身浴を楽しむ。昨夜よりもリラックスした感じのKONONOはまたまた息継ぎ無しのノンストップ・グルーブ。やっぱりいい湯加減。私の斜め前にいた足下に杖を置いた年輩のご婦人、立てた座面の上にちょこんと座って気持ちよさそうに上半身を終始スイングさせていたのがとてもいい感じだった。

KONONOが終わった時点で私は結構ヘロヘロになっていたのだが、この後のアフターステージセッションがこれまたデタラメだった。
最初の内は初日の前座に出たリケンベ奏者が肩の力の抜けたいい感じのステージをこなしていたのだが、KONONOと渋さがジョイントした途端デタラメな音の爆発が始まり収拾がつかなくなった。そのうちに不破氏が主導権を握って渋さ知らズな爆音に渋々KONONOが絡む展開となり、なにがなにやらわからないながらもかろうじて道筋の出来た音の洪水が溢れ出す。そうこうしているうちにさらに和太鼓軍団が絡んでまたまたヨロケそうになる展開を挟みエンドレスで無秩序なグルーブが延々続く続く。
ヘタりこんでラッパを吹かない渋さのメンバーに業を煮やした不破氏が履いていた靴を投げつけたり、はたまたその靴が行方不明になりさらに癇癪を起こす不破氏を鑑賞しながらノリノリの私。
これ誰がケリ付けるんや?と心配になり出した頃、再び正気を取り戻した不破氏の例の手振りによってしつこいほど派手なエンディングを迎えてひと安心。
と思ったら、どうも西洋リズムに無理矢理合わさせられて鬱憤がたまっていたらしきKONONOのオッサンたちが今度は自分たちのリズムで強引にリスタート。いい塩梅の温泉というより熱湯浴の如きグルーブがそこからまたまた続く続く。
後は知らん、とばかりに消えた不破氏が無き後、この始末は誰が?と思っていたら、ホールから念押しされた気配の渋さの赤褌男(この時にはレニングラードカウボーイみたいなエルビスになっていたが。)がなかなか鮮やかにKONONOのオッサンたちの手綱をしめてようやく本当のエンディングを迎えた。そして全ての音が終わった瞬間に間髪をいれず「本日の公演は全て終了致しました云々」とアナウンス。ホール側のアセリが見て取れてなんだか可笑しかった。

結局4時から8時半まで座席指定にもかかわらず皆さんオールスタンディング。大層キモチいい夜でございました。

それにしてもホールの係員が終始つまらなさそうにしてたのがなんだかなあ。仕事は仕事としてちょっとぐらい一緒に盛り上がったらいいのにね。通路にはみ出して踊っている観客を仇のように注意して回って小競り合いになってたけど、事なかれ主義で出来たルールには少々ウンザリさせられる。通路にはみ出して怪我とかしてもそれはそいつの責任やからわしらは知りません、と此の国がなれるのはいつの日か?

追記:
昨夜食事した謎の洋食屋さんの店名、「アチック・ミュージアム いわわき」だった。
やはりKONONO目当てに来てた知り合いのバンドメンバーたちと遭遇したので「面白いからぜひあそこでメシを食ってみてくれたまえ!」と勧めた。あとでわたしの同行者に来たメールによれば突然の盛況に店のご飯が四人分の内三人分を出したところで足らなくなり、それからご飯を炊きだしたそうだ。おそるべし、アチック・ミュージアム。ちなみに出て来たものはどれも旨かった、とのこと。